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ホットケーキってどうやったら焦げるんだろう。 [銀土]


 

 

 

 

大好きだよ

って、言ってみたかった。





 

 

 

無言の言。 

 


「相性占い?」
「うん、やろ!!」

銀時の輝いた顔が目の前にあって、土方は目を反らす。


「仕方ねーな……」

【やりたいくせに】



最後の声は、俺の隣に立っている奴だ。
誰だ、と聞かれるとぶっちゃけ分からない。

【それ】は、人の形をしていないし、
立っているのかもいまいち分からない。
【それ】は俺と同じ高さで、
つまり銀時と同じ高さで、
隣に在る、と言った方が正確だ。


俺の勘を信用すると、
【それ】は、俺の本心だ。




他の誰にも見えない、聞こえない。
俺にしか認識されない、俺の本当の気持ち。


うるさいな、もう。

邪険な扱いにも無言で、反応するのはただ一つ。


「ぉわ100%だって、やったね!!流石運命の糸で結びついた!!」

「嘘つけ!!」
【すごく嬉しい】


銀時に対する俺の返答。

に、対する声だ。


他の人と話してるときは全くの無言を決め込むくせに、
銀時と話してるときだけ声を発する。


まるで
【あんたは銀時に対してだけ嘘を言ってる】

とでも言うみたいに。


そういう意味では、
俺に認識させる、という方が正しい気がする。

 


銀時に対してだけ素直になれない自分を。



わかってるよ、そりゃね。
でも考えてみ?
素直になってみ、俺。


何か色々崩れるだろ。

銀時だって本当の本当に、恋人のように好きだとは思ってない。
何でかったって、男だろ?


それに対して真剣に、
「俺も好き」

なんて言ってみ。


ヒカれる事間違い無しだ。



【違う】



何だお前、心ん中まで口出しすんのか。

【自分が崩れる事なんか気にしてない。
坂田銀時が好きな自分は崩れた先の自分じゃなく、
本当の自分だって気づいてる】


あんたは



【恥ずかしがってるだけ】



そうだよ、知っている。

知っている。



 

 

 

 

 


大好きだ、って


一度でいいから言ってみたかった。

ちゃんとあいつの目を見て、口に出してみたかった。



 

あいつは毎日のように言ってくる言葉。
俺には毎日のように言われる言葉。




俺から、あいつにしてやった事なんて何もない。



「『二人はがっちりとした赤い糸ならぬ赤い綱で結ばれています』だって!!」

満面の笑みがこっちを向いた。


俺は、




それを精一杯抱き締めた。



「土方…………?」
「やったー」

銀時が無言だ。



「ほら、やったーって」
「うん、やったー」


銀時はふわふわ笑いながら俺に腕を回す。
やっぱり恥ずかしい。


こんなもん毎日やってられっか。

でも、
たまにはいいか。



 

 

大好きだよ。


言う日は、もう、すぐそこ。


ふわふわの【俺の気持ち】は、いつの間にかいなくなっていた。


タグ:小説 銀土

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